ピラティスの歴史からみえるもの

人から何かを聞くとき、
何の気なしに聞くのと、なぜこの人はこれを私に教えてくれるんだろう?
どういう意図があるんだろうと思いながら聞くのとでは全く頭に入っていき方が違います。

知識を入れたり、何かを学ぶときには、
それを作った方が、どういう目的で、誰に対して、どんな思いで作ったのかを知ることが、
そのメソッドを習うことの一番重要な事なのだと思います。
いろんなジャンルの素晴らしい方々と巡り合えたことで、私はそんな風に思うようになりました。

ピラティスを初めて学んだ時も歴史は学んだのですが、当初学んだことがピラティスの歴史全てだと思っていました。
ピラティス氏がクライアントを実際教えている動画を観た時に、観たことがある方はきっと同じ思いだと思うのですが、
結構びっくりする指導法です。
苦笑し、今では考えられない指導法だと思っていました。

ピラティス氏が考案した34のマットワーク
あれも、なぜいきなり頭を持ち上げ、脊柱を屈曲し両脚はまっすぐ膝を伸ばしたハンドレッドから始まるんだろう?
まだ脊柱も動ききっていない人がしたら大変だろうと思っていました。

だからまだ完全にピラティスというものを理解していなかった頃は、ハンドレッドなんてほとんど入れていなかったし、入れたとしてもクラスの最後の方にいれていました。
ピラティスをしているのに、ピラティス氏を否定していたことになります。

しかし、ピラティス氏の直弟子であったイブ・ジェントリーの、そのイブの直弟子であったミシェル・ラーソンから、イブが語ったピラティス氏の人柄や当時の時代背景など年表では表せない裏側的なお話を聞いた時、
なぜピラティス氏があのように言葉数少なく、乱暴(に見える)な指導法だったのかがわかりました。
そしてなぜマットワークの始めがハンドレッドだったのか。(これに関しては直接の話ではなく背景を聞いての推測です)

そしてプレピラティスやジェントリーテクニック、ファンダメンタルムーブメントと呼ばれる
ピラティスの前段階のアプローチ法をなぜイブが開発したのか。
これも年表を見るだけでは絶対にわからない、ピラティス氏とイブの深くて強い関係性から生まれたものであるという事がわかりました。

今ではピラティスについて書かれた書籍やネットで調べればピラティスの歴史は出てきますが、
実際ピラティス氏と共に過ごしたエルダーや、そのエルダーの弟子から語られる歴史はやはり深みがあるし、解釈していたものと違っていたりしました。
コア・ダイナミクス・ピラティスのオーナーである ケビン・ボウエンから、イブだけでなく同じ第1世代のティーチャーのことも詳しく教わり、ますますピラティス氏に対する尊敬の念が増しました。

若葉マークだったころの私はなんて無知だったのだろうと恥ずかしく思いますが、そのおかげで今のピラティスに対する想いも何十倍にも膨れ上がっています。

北佳子さんを岡山にお招きするワークショップでは、特に午前中に歴史や哲学を学びます。
8/20ピラティス指導者のためのワークショップ詳細
そんな歴史を通してピラティスがいかに現代の身体健康法にマッチしているかが理解していただけると思います。

世に出ているピラティスの歴史に、エルダーしか知りえなかったことなど(エルダーによってピラティス氏との関係性や時代背景も違いますので、そういったところも語っていただけると思います♪)を知識に入れることで、
今後の指導にも深みと幅が広がることでしょう。
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