以前、マットのピラティス、マシンのピラティスについて思っていることを書かせていただきました。
マシンが出来た背景として、
ドイツ人であったピラティス氏が第一次世界大戦中 英国の捕虜として収容所に抑留させられ、
マン島に移動後、負傷した帰還兵の治療をするための看護兵として働いていました。
それまでのピラティス氏の生い立ちや職業、考え方。そこから学んだことは身体の動きの重要性。
負傷兵たちへの適切な治療のため、徒手で彼らの身体を動かし続けたそうです。
しかし、たくさんの負傷兵に対しピラティス氏一人の身体では追いつきもしないし、自身の身体が参ってしまうということで、自分の腕の代わりとなるスプリングを考え付きました。
それが トラピーズ、キャデラックと呼ばれるマシンの原型となりました。
ピラティス氏の歴史~コアダイナミクスピラティスホームページ
そういった背景を考えながらマシンを使うと、何とも言えない感慨深い気持ちになります。
マシンと人はパートナーであると教えていただいた言葉も納得がいきます。感謝の気持ちも湧いてきます。
ところがある日、何気なく観たSNSの動画にショックを受けてしまいました。
クライアントさんであろう方がご自身がピラティスをしている動画をアップされていたのですが、
とても危険なマシンの設定のままエクササイズをしていたのです。
たまたま動画撮影をしていたときだけそうなっていたのか、それとも指導者の認識不足でいつもその設定なのか。。。
とにかく、頸椎に非常に負担のかかった動きになってしまっていました。
頸椎がそのような動きになっているので、もちろん腰椎の動きも出てこないし、骨盤を連動して動かすために大腿に無理な力が出ていました。
マシンは正しい認識で適切にセットすることで、その人の動きの最大の効果を導いてくれます。
しかし間違った設定ひとつで非常に危険なものにもなってしまうのです。
コアダイナミクスのオーナー、ケビン・ボウエンはマシンの知識に長けていて、メーカーによってのマシンの特性を熟知されています。
マシンのメンテナンス方法、頻度、安全性をとても厳しくそして丁寧に教わりました。
指導者として当然の事でもあるのですが、クライアントに最適なポジションの確認やメンテナンスを重要視している指導者がはたしてどれだけいるのか。。
マシンが劣化することをチェックことだけがメンテナンスなのではなく、危険回避にもつながるのです。
劣化したスプリングやねじに気づかずレッスンをして、もしかしたらクライアントさんの命にもかかわる非常に危険な事も隣り合わせであることも知っておかないといけない。
マシンの設定をひとつ間違えただけで怪我をするかもしれない。
これはピラティスマシンに限ったことではなく、ポールやボール、セラバンドも同じことが言えますよね。
ボールの置く位置で最大の効果の出る動きが左右されるでしょうし、メンテナンスも然り。。。
動画をアップした方に何もなければいいのですが、
指導者としてどうなの?と久々憤ってしまいこのような記事を書いてしまいました。。。
でもこれは自分自身の戒めのための記事でもあります。
いつでも初心を忘れず、パートナーとして最高の動きが出来ることを感謝しながらマシンを大切に扱おうと思いました。